アクセスカウンタ
QRコード
QRCODE
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人

2012年05月23日

修行時代 その048

昭和62年春、地元の高校を卒業した僕は、

東京都杉並区のとある理容室に修行のため入店。

この時から6年間の東京生活が始まりました。

ここでは、その頃の日常の出来事を綴っていきます。



※このお話はフィクションです。

友人(男)夜のドライブに誘われました。

環八の側道で待ち合わせ。

「どこ行く?」

「う~ん、そうだねぇ・・・。」

とりあえず東名高速を目指します。

彼の車はスポーティーオープンカー

エンジンはターボで武装し結構な高性能(当時)。

実際、加速も良くかなり速い(当時)車でした。

彼はいつもその車のアクセルをガン!と踏み込んで

猛烈な加速(当時ね^^;)を楽しんでいました。

(一般道だろうがバイパスだろうが高速だろうが

どこでもアクセル全開!^^しかも屋根をオープンにして。)

用賀の交差点を右折して高速道路に入ります。

東名高速の東京料金所を過ぎると本領発揮。

1速でドンッと地面を蹴飛ばすように車は加速。

ホイルスピンをさせながらエンジンは一瞬でレッドゾーンへ。

過回転を警告するブザーが鳴ります。

2速、3速・・・彼はアクセルを緩(ゆる)めません。

「こ・・・怖ぇ・・・。」

スピードメーターの針はすぐに180km/h。

(しかしリミッター作動でそれ以上は出ず・・・)

追い越し車線をひた走り、前の車をことごとくプッシュ。

のろい車(てかこっちが速過ぎ)を蹴散らし、

車線がクリア(前方に車無し)になるとフル加速。

屋根をオープンにしているので相当なスピード感です。


しばらく走ると前方にポルシェを発見。

現行モデル(当時)か?

911だ。

ポルシェだかなんだか知らねーがちんたら走っているならどいてもらおう。

おりゃおりゃ!どけどけ!アクセル踏め踏め~!

最初は常識外れのスピードに恐怖を感じていた僕も

慣れてしまったのか運転席の彼を煽(あお)っていました。

オラオラ~!

ポルシェは素直に道を譲ります。

「ポルシェがなんぼのもんじゃい~!」

100km/h強のスピードから3速全開。

ピーッ!警告音!

4速!

5速!

全開!

メーターは180km/h。

しかしポルシェは僕たちの後方から離れません。

ポルシェは加速して来ていました。

ポルシェが離れない。

その時、メーターに赤いランプが点灯。

排気温度警告灯

「ねーねー!なんか点いたよ!」

風きり音のすさまじい180km/hの車内で叫ぶ僕。

「おぉ?そーだな!」

彼も叫ぶ。

それでもアクセルから足を離さない。

マズイと思っても引きたくない男のプライドか。

3つある車線がクリアになった所で

ポルシェは一番左に車線変更しました。

180km/hで走る僕たちの車を横目に、

ポルシェはするすると王者の風格(?)を感じさせながら

ゆっくり・・・そう、ゆっくりと抜いて行きました。

リミッターを効かせながらも全開で走る僕たち。

しかし2度と追いつけないまま、

ポルシェははるか彼方へと消えてしまいました。

アウトバーンで鍛えられた車と、

東名高速道路で鍛えられた(?)車とでは

やはり天と地の差なのか・・・(当時ね)。


しかし、排気温度警告灯・・・。

アクセル全開走行とはいえ、

リミッター効いてんだよ?

フルノーマルな車両だよ?

当時の国産車のレベルはそんなものだったのでしょうか・・・。

男二人、残念無念でモヤモヤしながらPAでコーヒーブレイク(缶ね^^)


あの頃、50ccの原付バイクしか持っていなかった僕には

車を持っている友達がうらやましく思えました。

でもこうしてドライブに誘ってくれるのは本当にうれしい事。


東名高速をUターンし環八出口で降りたら左折。

最初の側道で降ろしてもらい、

「じゃまた。」

彼はまたホイルスピンさせながら帰って行きました。

タイヤの焼ける匂いを嗅いだのはこの時が初めてだったかも。


180km/hで走る僕たちの横を簡単に抜いていったポルシェが眼に焼き付いて

自分の部屋の布団にもぐっても興奮さめやらぬ・・・でした。


今の時代、車の高性能といえば、パワーではなくエコ。

あの夜から20年。

彼は今でもその時の車に乗り続けています。

それもなんか良いですね( ´,_ゝ`)



※このお話はフィクションです。


  
タグ :理容


Posted by すがぬま理髪店 at 17:53Comments(6)修行時代